開発ストーリーNo.1
紙パンツ用パッド
きっかけは、「もっとかんたんに…」の声
近年、高齢者人口の割合が高まる中で、紙おむつの使用量も増加傾向にあります。 特に、パンツタイプ紙おむつは、交換しやすく使い勝手もよいため、使用している人の割合が非常に高くなってきています。
しかし、当社尿とりパッドのラインナップは、テープ止めタイプに併用して使用することを主目的に設計していました。
そのため、パッドがずれないためのズレ止めテープが1か所しかなく、パンツに併用する際にパッドがパンツ内で内側に丸まるという問題がありました。
利用者自身でパンツを穿かれる場合や、施設の介護スタッフがパンツの装着を介助する際に、「パッドの丸まりで穿くときにゴワゴワする、手間がかかる」という声が多数寄せられていました。 その声をもとに、パンツに併用することが『かんたん』にできるパンツ専用の尿とりパッドを開発する研究がはじまりました。
利用者目線の「かんたん」へのこだわり
パンツに併用するときに【パッドの丸まり】が発生する理由はいくつか考えられました。
まず1つ目に、ズレ止めテープが1か所しかないため、パンツ内でパッドのズレを防ぐことが出来ずに丸まっていたことです。 そのため、ズレ止めテープを1か所からお腹側とお尻側の2か所に設置することにしました。
なおかつ、ズレ止めテープの素材を、今まではシールのように剥離紙を剥がして使用するタイプのものでしたが、剥離紙がなく、かぎ針のような小さな突起が出ている素材に変更しました。
結果、剥離紙を剥がす手間がなくなり、パンツ内部にズレ止めテープを押しつけると突起部分がパンツの表面素材に引っ掛かり、パッドが「かんたん」に固定することが可能になりました。
2つ目の理由は、パッドは生産時に3つ折形状で包装されていることです。
そのため、包装時に3つ折の折り目がつきます。
パンツにパッドを装着した際に、この折り目部分でパッドは中央部に向かって倒れてしまい、パンツへの装着が手間取る原因となっていました。
そこで、3つ折での包装ではなく、パッド中心部で折り曲げる2つ折形状を採用し、パッドの丸まりがなくなり、「かんたん」にパンツとパッドを引き上げることが可能になりました。
ワンランク上の「かんたん」を求めて
当社紙おむつ開発部門スタッフが、福祉機器の展示会に参加した際に、高齢者の方の色や物の見え方を体験しました。
そこで気付いたのは、高齢者の方の視界は若い人と比較すると、狭く、ぼやけており物の色や遠近感が判別しにくい点でした。
特に、従来の紙おむつの尿を吸収する面は、白色の素材のみ使用しており、高齢者の方にとっては、どこが吸収する部分なのか分かりづらい状況であると想定されました。
私たちはこの体験を生かし、新商品紙パンツ用パッドは、尿の吸収する面の両脇に青色のラインを配置しました。 青色のラインによって、尿を吸収する面の中心部分が、色の差によって分かりやすくなり、利用者の方が「かんたん」にパンツの中心にパッドを装着することが可能になりました。
介護される方も介護する方も使いやすい商品を
カミ商事では、利用者様・施設で働かれる方の双方のご意見を取り入れ、研究開発をしております。 みんなが使いやすい商品をお届けしたい。この溢れる思いを胸に、今日も紙おむつの研究に取り組んでいます。